歯並びが変わると顔が変わる?
こんにちは、江口矯正歯科です。
ここ数年、「歯並びが変わると顔も変わる」というSNSの投稿をよく見かけます。
受け口の方が、受け口が治ったという投稿など、実感として治ったということなら素晴らしいことです。
ただ、こういった投稿を見て、「私の〜も治る可能性あるのかな?」と過度に期待してお越しになる方も多いので、事前に歯科医としてバランスの取れた意見をお伝えしておければと思います。
1. 実際に顔は変わるのか
個人差はありますが、歯列矯正によって顔は変わります。
と言っても、骨格が変わるわけではなく、軟組織(歯茎や筋肉など)が変わることで顔の印象が変わるという原理です。
ですので、顎の骨が影響する部分は変わりませんし、劇的な変化を見込めるものではありません。
それでも、矯正によって長年気になっていた顔に関する悩みが解決するというケースは少なからず存在します。
では、どういった場合に歯列矯正が顔に影響を与えるのか、ケースごとに解説していきます。
2. それぞれのケース
①Eライン
歯列矯正で出っ歯や受け口が治ると唇が突き出て見えたり、引っ込んで見えていたのが改善し、理想的なEラインに近づきます。
また、口元が開きやすかったのが閉まりやすくなるので顔全体が小さく見えるという効果もあります。
ただ、Eラインはあくまで鼻や顎の骨の位置に依存するので、この位置に確実に調整したいというご希望に沿えるケースと沿えないケースに分かれます。(無理に調整することのデメリットもあります)
② 顔の長さ
また、噛み合わせを調整することで顔の長さを変えることもできます。
歯が倒れている場合はどうしても噛み合わせが悪くなり、顔が小さく見えます。
逆に変なところで噛み合わせていると、高くなり面長に見えます。
これはある程度は、矯正の仕方によって調整することが可能です。
③顔の筋肉のバランス
かみ合わせが悪いと、歯軋りなどの影響で咬筋(咬むための筋肉)が肥大し、えらが大きく見えることがあります。
噛み合わせが改善することで、左右の筋肉のバランスが変わって、顔つきがシュッと見えるケースは多いです。
また、噛み合わせが悪いことで生じていた右と左の筋肉の非対称性も改善するので、より左右のバランスの良い顔つきになります。
以上、3つのケースについて解説しました。
3. 最後に
当院では、矯正歯科としてお客様のご要望にはできる限りお応えしていますが、皆様の将来にも責任を持つ歯科医として現在の見栄えだけにこだわらず、日々を過ごす上で無理のない範囲での矯正をお勧めしています。
例えば、理想のEラインを実現するために口元を内側に入れすぎたら、将来的に肌の張りがなくなる可能性があります。
また、周りの筋肉や唇を調整することで、笑った時の見え方も変わってきます。
結局は、人それぞれに合った治療が必要になりますので、一度、矯正歯科の方にご相談するとよいかと思います。
もし、お悩みや気になることがございましたら、ぜひ当院にて一度ご相談ください。
みなさまの素晴らしい矯正ライフを祈っております。
【この記事の著者】

歯科医師(歯学博士)
江口 公人 えぐち きみひと
[ 経歴・資格・所属学会等 ]
- 1988年 徳島大学歯学部卒業
- 歯学博士
- 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
- 日本口腔インプラント学会会員
- インプラント認証医
- 日本矯正歯科学会
- KIRG準会員
- 関西アライナースタディークラブ主宰
江口矯正歯科クリニックは、その前身の医院から数えると約25年間、新田辺駅前で矯正治療を行ってきました。その間、約3,000人の方々に矯正治療を行っていただきました。小さな医院だからこそ、患者様と話もしやすく、診療の風景も見てもらいやすいことはとても良かったと思っています。
子供の成長期の機能矯正治療から、成人矯正、マウスピース矯正まで行う事で、治療の選択肢を広げる事ができました。今後も患者様に合った治療を考えていきたいと思ってます。