マウスピース矯正はどんな歯並びに効果がある?大人の症例を解説

「歯並びの乱れは気になるけれど、ワイヤー矯正は見た目が目立つから踏み出せない…」「出っ歯やすきっ歯、軽いガタガタ歯が気になっているけれど、治療を始める勇気が出ない…」
そんな大人の方に最近人気なのが「マウスピース矯正」です。
透明で目立ちにくく、取り外しもできるため、仕事やプライベートで人前に立つ機会が多い方でも安心して始められる治療方法として注目されています。
マウスピース矯正はどんな歯並びに効果があるのか、実際の大人の症例を交えながら詳しく解説していきます。

マウスピース矯正とは?(基礎説明)

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯を少しずつ動かしていく矯正治療です。
従来のワイヤー矯正と比べて目立ちにくく、取り外しも可能なため、仕事や人前に出る機会が多い大人の方に人気があります。
また、通院回数が少なめで済むのも忙しい大人にとって大きなメリットです。

・DIOオルソナビ

近年はDIOオルソナビのようなデジタルアライナー矯正システムも登場しています。
これは韓国の大手歯科医療機器メーカー「DIO Corporation」が開発したシステムで、口腔内スキャナーやCTで取得したデジタルデータをもとに歯の動きをシミュレーションします。
シミュレーション結果に基づき作られたアライナー(透明マウスピース)で治療を進めます。
DIOは世界70カ国以上で製品を展開する実績あるブランドで、高度なデジタル・AI技術を駆使したシステムは、多くの歯科医師に信頼されています。
2024年9月からは日本でも提供が始まり、より精度の高い治療が可能になっています。

マウスピース矯正で改善できる歯並び

マウスピース矯正は、軽度〜中等度の歯並びの乱れに特に効果的です。
大人の方でも短期間で整えやすい症例を中心に紹介します。

1.すきっ歯(空隙歯列)

歯と歯の間に隙間がある状態です。
軽度のすきっ歯であれば、数ヶ月で隙間を閉じることが可能です。

2.出っ歯(上顎前突)

上の前歯が前方に突出している状態です。
軽度〜中等度の出っ歯はマウスピース矯正で改善可能です。

3.叢生(軽いガタガタ)

部分的に歯が重なり合っている状態で、前歯の軽度なガタガタには効果的です。

4.交叉咬合・反対咬合の一部

一部のケースでは、上下の歯の咬み合わせのズレを調整することも可能です。
ただし、重度の場合はワイヤー矯正や併用治療が推奨されることがあります。
写真やイラストを併用すると、治療後の歯並びのイメージが伝わりやすく、患者さんにとってもわかりやすくなります。

マウスピース矯正が難しい歯並び

マウスピース矯正は幅広い歯並びに対応できますが、次のようなケースでは適応が難しいことがあります。

・重度の叢生

歯が大きく重なり合っている場合、マウスピースだけでは十分に歯を動かすことが難しいことがあります。

・顎の骨格に問題がある場合

顎の位置や骨格にズレがある場合、歯の位置だけを動かすマウスピースでは改善が不十分なことがあります。

・奥歯の大きなズレ

噛み合わせの深刻なズレがある場合は、専門的な矯正や併用治療が必要になることがあります。

こうしたケースでは、自己判断せずまずは歯科医院での専門的な診断 が大切です。
歯科医師によるチェックを受けることで、自分に合った治療方法や期間の目安を知ることができ、安心して矯正治療をスタートできます。

大人がマウスピース矯正を選ぶメリット・デメリット

マウスピース矯正は大人の方に人気の矯正方法で、次のようなメリットがあります。

メリット

・透明で目立ちにくい
接客業や人前に出る機会が多い方でも、装着中でも目立たず安心です。

・取り外し可能
食事や歯磨きの際には外せるため、普段通りの生活を妨げません。

・金属アレルギーの心配がない
金属を使用しないため、アレルギーがある方でも安心して治療を受けられます。

デメリット

・装着時間を守る必要がある
1日20〜22時間の装着が推奨されており、装着時間が不足すると効果が出にくくなります。

・重度の歯並びには不向きな場合がある
大きなズレや骨格に起因する不正咬合は、ワイヤー矯正や併用治療が必要になることがあります。

・治療費がやや高め
システムや素材の特性上、ワイヤー矯正に比べて費用が高くなるケースがあります。

大人にとって生活の制約が少なく、目立ちにくい点は大きな魅力ですが、自己管理や症例の適応範囲を理解しておくことが大切です。

マウスピース矯正の治療の流れ

マウスピース矯正は、段階的に歯を動かしていく治療法です。
大人でも安心して始められるよう、ステップごとにしっかり確認できます。

1.  初回相談(無料相談がある場合も)
歯並びの悩みや治療への希望を、歯科医師に相談しましょう。
無料相談を行っている医院なら、費用の心配なく質問できるのも安心ポイントです。
治療の期間やおおよその費用、生活への影響などもこの時点で確認できます。

2. 精密検査
口腔内スキャナーやCT、レントゲンなどで歯や顎の状態を詳しくチェックします。
噛み合わせや骨格のバランスを正確に把握することで、最適な治療計画を立てることができます。

3. 治療計画・シミュレーション
精密検査のデータをもとに、歯の動き方や完成後の歯並びを3Dでシミュレーション。
DIOオルソナビなどのデジタルシステムを活用すれば、治療後の仕上がりを事前に確認可能です。
自分の歯がどのように整っていくかを目で見て確認できるので、安心して治療を進められます。

4. マウスピース装着スタート
シミュレーションに基づき作成されたマウスピースを装着して、歯を少しずつ動かしていきます。
1日20〜22時間の装着が基本で、食事や歯磨きの際には取り外せます。
定期的な通院で歯の動きをチェックしながら、次のマウスピースに交換していくことで、計画通りに歯並びを整えられます。

5. 治療終了後の保定(リテーナー装着)
歯並びが整った後は、後戻りを防ぐために保定装置(リテーナー)を装着します。
一定期間しっかり管理することで、整った歯並びを長く保てます。

まとめ

マウスピース矯正は、軽度〜中等度のすきっ歯・出っ歯・軽いガタガタなど、幅広い大人の歯並びに対応できます。
透明で目立ちにくく、取り外しもできるため、日常生活や仕事への影響が少ない点も魅力です。
ただし、歯並びや噛み合わせの状態によっては、適応できない場合や他の矯正法が必要になることもあります。
まずはご自身の歯並びがマウスピース矯正に向いているか、専門家に相談してみましょう。

江口矯正歯科クリニックの専門医より一言!

今はマウスピース矯正の材料や治療技術が進歩し、ほぼすべてのケースを治療することが可能になっています。
ただし前述のように重度の叢生や骨格のずれはワイヤー矯正、マウスピース矯正ともに難しいケースとなりますので、ワイヤーとマウスピースの併用や矯正用インプラントなどを使用しての治療を行ったりします。
重度の顎変形症の場合は外科矯正も必要になる場合があります。
今まで3000ケースのマウスピース矯正を行ってきて感じることは、ワイヤー矯正では難しいケースでもマウスピース矯正なら簡単ではないにせよ、まだ楽に治せるということです。
特に開口や受け口はワイヤー矯正より格段に簡単に治せる実感がありますね。
ただ歯牙の傾斜などはワイヤーが治して易いので、当院ではマウスピース矯正の費用にワイヤーも含んでいることにしています。
ですので、マウスピースが毎日できなかったという方でも追加料金なしにワイヤーに変更できます。
治療に対して患者様が安心を感じてほしいと思っての結果です。

江口矯正歯科クリニック

【この記事の著者】

歯科医師 江口公人 - 江口矯正歯科クリニック

江口 公人 えぐち きみひと

[ 経歴・資格・所属学会等 ]

  • 1988年 徳島大学歯学部卒業
  • 歯学博士
  • 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
  • 日本口腔インプラント学会会員
  • インプラント認証医
  • 日本矯正歯科学会
  • KIRG準会員
  • 関西アライナースタディークラブ主宰

江口矯正歯科クリニックは、その前身の医院から数えると約25年間、新田辺駅前で矯正治療を行ってきました。その間、約3,000人の方々に矯正治療を行っていただきました。小さな医院だからこそ、患者様と話もしやすく、診療の風景も見てもらいやすいことはとても良かったと思っています。

子供の成長期の機能矯正治療から、成人矯正、マウスピース矯正まで行う事で、治療の選択肢を広げる事ができました。今後も患者様に合った治療を考えていきたいと思ってます。