インビザラインのアタッチメントって必要なの?


インビザライン治療における「アタッチメント」は、治療過程において重要な役割を果たす小さな部品です。
これらは歯の表面に装着される小さな突起物で、アライナー(インビザラインのマウスピース)の効果をより高めるために使用されます。

アタッチメントは、特に歯を複雑な方向に動かす必要がある場合に使用されることが多く、アライナーが歯に対してより良い力を加えるのを助けます。

〇アタッチメントの役割と特徴

1.力の分散
アタッチメントは、アライナーが歯にかける力を適切に分散させ、歯の動きをより制御されたものにします。これにより、複雑な矯正がよりスムーズに行えるようになります。

2.小さく透明
アタッチメントは通常、歯の色に近いレジン(合成樹脂)で作られており、見た目に影響を与えにくくなっています。透明度の高いインビザラインと組み合わせることで、治療全体が非常に目立たなくなります。

3.特定の歯の移動をサポート
歯の回転や引き上げ、押し下げなど、特定の動きを必要とする場合にアタッチメントが活用されます。これにより、インビザラインだけでは難しい歯の移動も実現可能になります。

〇アタッチメントの装着期間

アタッチメントの装着期間は、患者様の治療内容と歯科医師による計画によって個人差があり前後します。さまざまな要因で期間は決定しますが一般的には、以下のような要素が考慮されます。

・治療の難易度
もし、歯の位置異常や不正咬合が複雑である場合、アタッチメントはより長い期間必要となるかもしれません。標準的な治療期間は数ヶ月から数年にわたることがありますので自分の歯の状態や経過において事前に把握しておくと良いでしょう。

・治療の進行状況
治療の進行状況に応じて、アタッチメントの必要性は変化します。場合によっては、途中でアタッチメントを取り外したり、追加装着したりすることもありますので都度、歯科医師のアドバイスを受けて適切な状況把握をしていきましょう。

・個々の矯正目標
各患者様の理想とする歯並びや咬合状態に達するまで、アタッチメントの利用が続けられます。そのため、目標達成までのスケジュールに応じて、装着期間は変動します。

〇取り扱いとメンテナンス

アタッチメントは通常、治療の初期または途中で歯科医師の判断により装着されます。取り扱いとメンテナンスについては、以下のポイントに注意する必要があります。

・食事と衛生

食事の時にはアライナーを外すため、アタッチメントがあることによって食物残渣が引っかかることもあります。食後はしっかりと歯を磨いて、アタッチメント周辺を清潔に保つことが大切です。

・定期的な確認
治療の進行に伴い、歯科医師による定期的なチェックが行われます。その際に、アタッチメントが正常に機能しているか、または取り外し可能な状態になったかが判断されます。

・アタッチメントの交換や修復
万が一、アタッチメントが外れたり壊れたりした場合は、速やかに歯科医師に相談し修復を行います。適切なケアができないと、治療効果が低下する可能性がありますのでインビザラインやアタッチメントに異常を感じた場合はすぐに担当医に相談しましょう。

インビザラインのアタッチメントは、歯をより正確に効果的に動かすための重要な装置です。その装着期間は治療内容により異なりますが、患者様の協力と適切なメンテナンスにより、理想的な結果を得ることができます。アタッチメントの使用に関して不安や疑問がある場合は、必ず治療を担当する歯科医師と相談し、詳細な治療計画を確認することが重要です!

▽江口矯正歯科クリニックの専門医より一言!

現在のアライナーの製作方法はほぼ、熱可塑性樹脂を歯の模型に押し付けて成型する方法です。これは短時間で多くのアライナーを作成できますが、模型とのフィットは100%ではなく隙間が空きます。これが良いという話もありますが、複雑な動きを歯にさせようとするとフィットが悪くシュミレーションに沿って作られたアライナーの形に添わなくなり、予定どうりに動いてくれないという大きな欠点があります。それを何とかしようと考え出されたのでアタッチメントであり、インビザラインがいち早くこれを開発したということです。

3Ⅾプリント等の作製方法が広がると、アライナーが歯にピッタリフィットし、必要なくなるかもしれませんが、今はまだ、治療には必需品のようです。

河原町歯科・矯正歯科クリニック

【この記事の著者】

歯科医師 江口公人 - 江口矯正歯科クリニック

江口 公人 えぐち きみひと

[ 経歴・資格・所属学会等 ]

  • 1988年 徳島大学歯学部卒業
  • 歯学博士
  • 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
  • 日本口腔インプラント学会会員
  • インプラント認証医
  • 日本矯正歯科学会
  • KIRG準会員
  • 関西アライナースタディークラブ主宰

江口矯正歯科クリニックは、その前身の医院から数えると約25年間、新田辺駅前で矯正治療を行ってきました。その間、約3,000人の方々に矯正治療を行っていただきました。小さな医院だからこそ、患者様と話もしやすく、診療の風景も見てもらいやすいことはとても良かったと思っています。

子供の成長期の機能矯正治療から、成人矯正、マウスピース矯正まで行う事で、治療の選択肢を広げる事ができました。今後も患者様に合った治療を考えていきたいと思ってます。