大人から始める矯正のメリットとデメリット

矯正治療は、美しい歯並びや健康的な口腔環境を手に入れるための重要なプロセスですが、矯正歯科は年齢を問わず適用できることを知っていますか?
特に大人になってからの矯正には、特有のメリットとデメリットがあります。こちらのページでは、大人から矯正治療を始めることの利点と欠点を詳しく解説いたしますので検討している方の疑問や不安の解消にお役立てください。

矯正治療の基本

矯正歯科では多様な治療方法が用意されており、患者さまの個別のニーズや状態に応じて最適なものが選ばれます。

矯正治療は、歯や顎の不正咬合(噛み合わせの異常)や歯並びの乱れを改善する方法です。主に以下の装置が使用されます。

・金属ブレース:歯に小さなブラケットを取り付け、弾性ワイヤーで結ぶことで歯を動かしていきます。治療中は定期的に調整する必要があります。
・透明アライナー:インビザラインなどの透明なプラスチック製のアライナーを使用する治療法です。目立たないため、外観を気にする方に適しています。

矯正治療の目的

・見た目の改善:整った歯並びは、美しい口元を形成し、自信をもたらします。
・健康面の向上:正しい噛み合わせが実現することで、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが減ります。
・機能の改善:正しい咬み合わせは食事や発音の改善にも寄与します。口を大きく開けたり、笑ったりする際の不安が減ります。

大人から矯正治療を始めるメリット

①自分の意思で治療を選べる
成人の多くは、自身の口元に対する意識が高まり、数ある矯正治療の中から自らひとつを選択することができます。子どもの頃には親の判断で治療が行われることが多いため、大人になってからの治療は自立した選択と考えることができ、自分のライフスタイルに合わせた治療が選べます。

②矯正治療への強い動機づけ
大人が行う矯正治療の場合は、社会に出てからの経験や人間関係において、自信を持てることの重要性を高いと考えられている方が多いとされています。見た目に改善がみられることで、自信が向上し、仕事やプライベートに良い影響を及ぼすことが期待できます。たとえば、営業職や接客業などでは、第一印象が大切なので、綺麗な歯並びの効果は大きいでしょう。

③最新の矯正技術を利用できる
現代の矯正技術は日進月歩、進化し続けています!
成人向けに開発された透明アライナー(インビザライン等)や舌側矯正(歯の裏側に装置を取り付ける方法)は、治療中の見た目を気にする方に特に人気です。透明アライナーは痛みが少なく、食事の際に取り外すことができるため、日常生活が容易に進められます。

④同時に他の治療が可能
虫歯治療やクリーニング、ホワイトニングなど、他の口腔ケアを行いたい場合に、矯正治療を併用することが可能です。このため、口腔全体の健康状態を改善する計画を同時に進行できます。

⑤成熟した顎の状況を活用できる
成人は骨の成長が完了しているため、顎や歯の位置を動かす際に比較的正確な治療が期待できます。成長期の子どもに比べ、歯科医師は予測が立てやすく、個々の治療プランが成功する確率が高まります。これにより、効率的な治療が進められることが多いのです。

大人から矯正治療を受けるデメリット

①治療期間が長くなる可能性がある
成人の歯や顎は成長が完了しているため、場合によっては治療に時間がかかることがあります。一般的に、治療期間は約1年から3年程度で、その間に何度も通院しなければならない場合があります。たとえば、複雑な症例の場合、特に他の治療と組み合わせる必要があると、時間がかかることがあります。

②痛みや不快感
矯正治療には痛みや不快感が伴うことがあります。
特に新しいアライナーや調整されたブレースが歯に押し当てられることで、一時的に痛みを感じることがあります。この痛みは通常数日内で収まることが多いですが、鋭い痛みを感じる場合は、担当の歯科医師に相談することが重要です。

③食生活の制限
矯正治療中、一部の食べ物に制限が設けられることがあります。例えば、ブレースの場合、硬い食べ物や粘着性の高い食べ物を避ける必要があります。これにより、食事選びが難しくなることがあります。透明アライナーを使用する場合は、食事の際に毎回外さなければならないため、外出時の食事が面倒になることもあります。

④社会的な不安
成人として矯正治療を受ける際、特に目立つブレースを使用することに対する社会的な不安が生じることがあります。特に、職場や社交イベントでの第一印象が気になる方にとって、見た目が影響を与えることが心配されます。ただし、最近では目立たない治療法が増えているため、この問題も以前より軽減されています。

⑤経済的負担がある
矯正治療は費用がかかることが多く、保険が適用されないことがあるため、経済的な負担を気にする方が多いです。治療によって数十万〜数百万円かかる場合があるため、事前に費用について明確に理解し、必要であれば分割払いを利用する方法も検討しましょう。

大人から矯正治療を受ける際の注意点

①前もって事前相談を行いましょう
矯正治療に関心がある場合、まずは歯科医師や矯正専門医とのカウンセリングを受けることが重要です。カウンセリングを通じて、治療のプロセスや期間、費用について詳しく理解することで、自分にとっての最適な治療計画を立てることができます。この時、疑問に思うことや不安に感じていることを遠慮なく質問することが大切です。

②歯科医師の選択
信頼できる歯科医師を選ぶことは、治療過程の成功に欠かせません。
治療経験が豊富で、患者のニーズに合った治療法を提案してくれる医師を探しましょう。また、患者の声を取り入れ、最新の技術や設備を持っているかどうかも確認することが重要です。
当院の歯科医師は専門医としての経験と実績が豊富なので安心して気軽にご相談ください!

③自己管理が求められる
矯正治療中は自己管理が重要です。アライナーの装着時間や、食事時の取り扱いをしっかり守ることが、治療効果を最大限引き出すカギとなります。また、通院日程を守るために、日常生活の中で合間を見つけることも大切です。

大人から始める矯正のメリットとデメリットのまとめ

大人から矯正治療を始めることには数多くのメリットがあります。自らの意志で治療を選択できることや、現代の技術を活用できること、そして成熟した体の状態を活かして効率的に治療を受けることができることが特徴です。しかし、一方で治療の長期化や経済的な負担などのデメリットも抑えておく必要があります。

この治療を受ける前には、十分な情報を収集し、信頼できる医師と相談することで、より理解が深まり、治療への不安感を軽減できるでしょう。矯正治療を通じて、自信に満ちた笑顔を手に入れるための私たちと一緒に一歩を踏み出してみませんか?!

▽江口矯正歯科クリニックの専門医より一言!

 矯正は何歳からでも出来ますので、「やりたい!」「やらしてあげたい!」「今しなければ!」と思った時が、その方のタイミングだと思います。
年齢によってのメリット、デメリットはあります。低年齢では成長を利用できる大きなメリットがあり、顎の出すぎや狭さを改善できる可能性が高まり、大人になってからのお顔のプロフィールを改善できたり、非抜歯の矯正が可能になったりします。しかし、治療期間が長くなりやすく、保護者の方と本人の頑張りが治療成果を左右します。
大人になってからの矯正は成長した骨の中でしか歯は動けないので、制限はありますが、ご自分の意志で始めるで、治療の効果を感じて頂きながら矯正に向き合えるメリットがあります。始める前に比べて、改善した歯並びは喜びになると思います。
 不思議なことに人間の顎は歯を動かす矯正が出来るようになっています。良い歯並びでなくても、治せるように顎と歯が作られているのならば、ご自分にも備わっているその力を使って歯並びを良くしてまいりましょう!

江口矯正歯科クリニック

【この記事の著者】

歯科医師 江口公人 - 江口矯正歯科クリニック

江口 公人 えぐち きみひと

[ 経歴・資格・所属学会等 ]

  • 1988年 徳島大学歯学部卒業
  • 歯学博士
  • 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
  • 日本口腔インプラント学会会員
  • インプラント認証医
  • 日本矯正歯科学会
  • KIRG準会員
  • 関西アライナースタディークラブ主宰

江口矯正歯科クリニックは、その前身の医院から数えると約25年間、新田辺駅前で矯正治療を行ってきました。その間、約3,000人の方々に矯正治療を行っていただきました。小さな医院だからこそ、患者様と話もしやすく、診療の風景も見てもらいやすいことはとても良かったと思っています。

子供の成長期の機能矯正治療から、成人矯正、マウスピース矯正まで行う事で、治療の選択肢を広げる事ができました。今後も患者様に合った治療を考えていきたいと思ってます。